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- 序章 (5/10) -
- マリアの提督日誌 -

○月○日

今日はルイス・バルディという提督が来た。

彼はトーレスの提督仲間。
トーレスに依頼されたらしく、家に来たとのことだった。
そしてこのルイス・バルディこそが、あの事故から私達を救ってくれた恩人だった。




あの事故のことについて、私は一部記憶がない。

あれは、ポルトガル国王への献上品を運搬していた時のことだった。
私達の船は幽霊船に襲われたのだ。

私はクルーを救うため、トーレスと共に指揮をとった。
幽霊船の影響で朽ちてゆく船に処置を行いながら逃げ切ろうとした。

・・・しかし、ここから先の記憶がない。
気づいたときには病院のベッドの上だった。

後からニュース記事や、周囲から聞いた話で事故の状況を知った。

私達の船は劣化が進み、応急処置も間に合わなくなってしまった。
意識を失ってしまう者、泣き喚く者、諦めずに処置をし続ける者、天を仰ぎ祈る者・・・クルーによって、行動は様々だったようだ。 記憶がない私は、すぐに意識を失ってしまったのだろう。

そんな中、トーレスが別の1隻の船の存在に気付いた。
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