- 序章 (6/10) -
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- マリアの提督日誌 -
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それは海賊船だった。 クルーはさらに震え上がったようだけど、トーレスは藁にもすがる思いで海賊船に助けを求めた。 そして私達は海賊船に助けられた。 ◇ 私達を助けた海賊のキャプテンは、その後すぐに足を洗い、トーレスと同じ貿易商会に入ったのだそうだ。 その私達の恩人である元海賊ルイス・バルディが、今日私の家に来た。 |
バルディを客室に通し、まず助けてくれたことに対し、礼を言い頭を下げた。 そして私はバルディにいくつか問いかけた。 私「何故私達を助けてくれたのですか?」 バルディ「気まぐれだ。」 それ以上の答えはなかった。 私「どうして海賊業から足を洗ったの?」 バルディ「・・・・。」 彼はその質問には答えなかった。 さらに、貿易商会の仕事内容や、提督達の様子を聞こうとした。 主に聞きたかったのは、提督達の話だったんだけど・・・その話になると、彼はあからさまに不機嫌な顔をした。 バルディ「あんたは海の仕事に興味を持っているようだが、 女が海に出るものではない。俺達の仕事を甘く見るな。」 | |||