- 第1-1章 (15/16) -
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- マリアの提督日誌 -
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バルディ「この間のマリアの歓迎会に合わせて、ソリスはリスボンに戻ってきたぞ。」 ペレス「ソリスは戻ってきていたのですか。」 バルディ「どうしてペレスは戻って来なかったんだよ。連絡しただろう?」 ペレス「ちょうど調査に出発した直後の話でしたから。 歓迎会に出席できずにすみませんでした。」 ペレスが私に向き直って頭を下げたので、 慌てて首を振った。 私「別に気にしていないですよ。 任務の方が大切ですし。」 私は本当に気にしてなかったんだけど、 バルディはまだ言い続けていた。 バルディ「そういう場合は引き返して来いよ。」 ペレス「そういうわけにはいきません。」 |
もしかして・・・ 私の歓迎会云々じゃなくて、 バルディが連絡したのに、ペレスが戻ってこなかったことが ちょっと寂しかったんじゃないのかな。 その点、ソリスはロハスの連絡で戻ってきたみたいだから、 羨ましかったのかも。 そう考えると、何だかバルディが可愛く見えてきた。 何ヶ月かペレスが外出していたため、家の中が埃っぽかった。 その辺に置いてあった掃除用具を手にとり、忙しそうなペレスに代わり、 掃除をし始めた。 私が掃除をしていることに気づいたペレスは恐縮していたが、 とてもありがたいと、この好意を素直に受け取ってくれた。 バルディ「俺も何か手伝ってやるよ。」 バルディは、調査書をまとめているペレスの横で、 おそらく調査に持って行っていたのであろうペレスの鞄をあさり始めた。 | |||